北海道の南部の木古内町の沖合で、アワビ約340個を密漁したとして、函館市の男2人が逮捕されました。
今回はこの事件について、犯行の動機や経緯について調べてみました。
事件の詳細
逮捕されたのは北海道函館市西桔梗町の無職、酒井裕貴容疑者(35)と、函館市亀田本町の会社経営、細田翼容疑者(33)の2人です。
2人は11日午後11時ごろ、木古内町本町の佐女川の河口付近で、エゾアワビ341個、21キロ・約12万円相当を密漁したとして、漁業法違反などの疑いがもたれています。
密漁が行われているという情報を受けて函館海上保安部の職員が巡回していたところ、2人が空気ボンベやウェットスーツをつけて密漁を始め、さらに2人が車にアワビを積み込もうとしたため、現行犯逮捕しました。
酒井容疑者が海に潜り、細田容疑者は陸で獲ってきたアワビを運ぶ役割をしていたとみられていて、両容疑者は調べに対し、容疑を認めているということです。
函館海上保安部は、2人が転売目的で密漁を繰り返していたとみて、流通ルートなども含め詳しく調べています。
酒井裕貴容疑者と細田翼容疑者のプロフィール
名前:酒井裕貴
年齢:35歳
職業:無職
住所:北海道函館市西桔梗町
名前:細田翼
年齢:33歳
職業:会社経営
住所:北海道函館市亀田本町
酒井・細田、両容疑者の顔写真
酒井・細田両容疑者の顔写真については、公開され次第更新していきます。
犯行の動機
今回の犯行について、酒井・細田両容疑者は、容疑を認めているということです。
海上保安部は、2人が転売目的で密漁を繰り返していたとみていて、今回の犯行もおそらく転売目的だったと思われます。
転売先については捜査中ということですが、こちらもおそらくは得意先があったのではないでしょうか。
犯行現場
今回の犯行が行われた場所は、「木古内町本町の佐女川の河口付近」ということですが、以下の辺りになります。
これらのランドマークがあるところが「本町」になります。
また「佐女川」は以下の小さな川になります。
漁業法違反の刑罰
漁業法とは、漁業に関する基本的な事項を定めた法律です。
漁業法の中でも大事な規定が「漁業権」です。
漁業権とは、一定の漁場において一定期間、他を排して漁業を営む権利です。
漁業権が設定されている場所で、規制対象となっている海産物を捕ってしまうと、漁業権を侵害したとして漁業法違反に問われる可能性があります。
漁業権侵害の罰則は「20万円以下の罰金」です(漁業法第143条)。
また許可が必要な漁を無許可で行った場合は「3年以下の懲役または200万円以下の罰金」(漁業法第138条)です。
しかし2018年12月に改正漁業法が成立して、ナマコやアワビの密漁については罰則が新設され、罰則が「3年以下の懲役または3000万円以下の罰金」と定められました。
また許可が必要な漁を無許可でした場合については罰金を300万円に引き上げ、漁業権侵害についても罰金100万円に引き上げられます。
終わりに
漁業権について新たに厳しい罰則が定められたのは、無くならない密漁を規制するためでありますが、それでも無くならないのであれば、街中と同じく防犯カメラ設置などの対策も必要になってくるでしょう。
しかし海の趣や景観を損ねることになってしまいますので、そこまではしたくありませんよね。
漁業権があるのは、限られた資源を守るためでもあります。
そこのところを、今回の容疑者2人も今一度認識していただきたいですね。