海上自衛隊横須賀基地で、部隊の食料品管理を行う部署に所属する47歳の海上自衛官が、食品卸売り業者からの納入をする際に便宜を図った見返りに、業者側から高級クラブで接待を受けたとして、収賄の疑いで逮捕されました。
またも公務員の絡む事件、これについて調べてみました。
目次
事件の詳細
収賄の疑いで逮捕されたのは、海上自衛隊の横須賀造修補給所に所属する、神奈川県横須賀市汐入町の2等海曹、今井伸幸容疑者(47)です。
また横須賀市にある食品卸売り業者「明食」の社長で、神奈川県横浜市神奈川区白幡東町の吉田公一容疑者(52)が贈賄の疑いで逮捕されました。
今井2等海曹は2016年12月~18年5月までの約1年半の間、海自横須賀地方隊で、納入を要請した品とは別の食糧を明食から受け入れる見返りに、横浜市内の高級クラブで合わせて110万円相当の接待を受けた疑いが持たれています。
今井容疑者はその時期に食糧の検査官を担当し、発注通りの品が納入されたか確認する作業をしていました。
吉田容疑者は在庫の食品を自衛隊の発注内容とは関係なく納入し、処分費を削減していたとみられていて、納入品の検査を担当する今井2等海曹はそれを黙認していたということです。
今井容疑者は黙認行為を約40回続け、同じ時期に横浜市内の高級クラブで約25回、接待を受けるなどしたという。
吉田容疑者の会社は、先代の社長のころから海上自衛隊と取り引きがあったということで、警察は詳しいいきさつを調べています。
警察は捜査に支障があるとして2人の認否を明らかにしていません。
今井伸幸容疑者のプロフィール
名前:今井伸幸
年齢:47歳
職業:海上自衛隊2等海曹【横須賀造修補給所に所属】
住所:神奈川県横須賀市汐入町
顔写真については特定に至りませんでしたので、公開され次第更新していきます。
海上自衛隊の横須賀造修補給所
「海上自衛隊の横須賀造修補給所」は以下のように4ヶ所ほどあるようですが、今井容疑者が努めていた場所が報道の映像通りだとすれば、「海上自衛隊横須賀地方総監部横須賀造修補給所艦船部」になるでしょう。
吉田公一容疑者のプロフィール
名前:吉田公一
年齢:52歳
職業:食品卸売り業者「明食」社長
住所:神奈川県横浜市神奈川区白幡東町
こちらも顔写真については特定に至りませんでしたので、公開され次第更新していきます。
有限会社「明食」
吉田容疑者が代表を勤める「明食」は以下の通りです。
住所:〒238-0014 神奈川県横須賀市三春町2丁目3−1
「会社概要」はこちらです。
海上自衛隊の食品納入に対する入札情報なども掲載されていたので、間違いないでしょう。
「入札情報」はこちらです。
犯行の動機
今回の犯行について、警察では2人の認否を明らかにしていません。
「贈収賄」とよくいったように、接待を受けていい思いをする側と、在庫が処分できていい思いをした側で、お互いウィンウィンの関係を築いていたといったところでしょうか。
不正納入はかなりの回数行われたようで、そのために使われなくていい税金が使われたと思うと、税金を収めている身としてはなんとも理解し難いですね。
そんなことを言うと、自衛隊の予算は防衛費だから国民には関係ないと言われてしまうでしょうか。
いずれにせよ税金を使った上での今回の件、許されるはずがありません。
犯行現場
今回犯行が行われていた場所は、上記の通り、今井容疑者が努める場所が報道の映像通り「海上自衛隊横須賀地方総監部横須賀造修補給所艦船部」だとすれば、犯行が行われた場所も同じ場所になるでしょう。
海上自衛隊のコメント
横須賀造修補給所の山岡鉄司所長は、「国民の皆様に多大なご心配を与え、大変申し訳なく思っています。警察の捜査に全面的に協力し、事実関係の調査を徹底するとともに原因の究明と再発防止に全力で取り組んでいきます」とコメントしています。
また、海上自衛隊トップの山村浩海上幕僚長は、10日の会見で、「国民の信頼を損なうような事案を起こしたことについて、重く受け止めており、大変申し訳なく思っています」と述べ、謝罪しました。
今月2日、横浜駅で海上自衛官が女性に体液をかけたとして暴行の疑いで逮捕されるなど、不祥事が相次いでいることについて、「9月に入り、今回も含めて4件の逮捕事案が起きており、危機意識をもっている。隊員に対する教育指導を徹底するとともに、根絶のため必要な取り組みを行っていく」とコメントしました。
新情報・先輩隊員か関与か
その後の調べで、同じ部署にいた先輩で元自衛官の橋本浩彰容疑者(58)から、今回の贈賄側の業者を紹介されていたことが分かりました。
橋本容疑者は、食品の納入をめぐって贈賄側とは別の業者に水増し請求させて、自衛隊から金をだまし取ったとして逮捕されています。
今井2等海曹がこの紹介をきっかけに業者との関係を深めていったとみられています。
贈収賄の刑罰
贈賄罪は、公務員または仲裁人に対して、その担当する職務に関連して不正な賄賂を供与し、申込み、約束などすることによって成立する犯罪をいいます 。
刑は、3年以下の懲役または250万円以下の罰金となります。
贈賄罪は収賄罪よりも刑が軽く、贈賄行為は実質的にみて収賄行為と必要的共犯関係にあるが、収賄罪の共犯として刑事責任を問うものではなく、独立罪として処罰するものであるとされています。
収賄罪は、公務員または仲裁人がその担当する職務に関連して賄賂を収受、要求、約束したり、またその結果として不正な行為をしたりしたときなどに成立する犯罪 をいいます。
基本の刑は、5年以下の懲役となります。
具体的な犯行の差異に基づき、単純収賄、受託収賄、事前収賄、第三者収賄、加重収賄、事後収賄、斡旋収賄などに分けて処罰され、量刑はそれにより増減します。
収賄罪は、職務の公正さに対する社会の信頼と公務の不可買収性を保護することを目的に立法化されています。
終わりに
今回のような話は他にもあったりするのでしょうか。
民間同士の間で談合があるように、公務員と民間の間にも利益や利権をまとった話し合いがあることは自然なことなのでしょうか。
結局は人間の欲望が招いたことですから、民間の景気が良くなれば、今回のように在庫処分などしなくてもよくなり、不正も起きないのかなと思ってしまいますね。
そう思うのは、私自身民間だからなんでしょうがね…。