妻を金づちで殴って殺害しようとしたとして、30日、殺人未遂の疑いで神奈川県横須賀市の無職の男が逮捕されました。
金づちとはなんとも残酷ですが、いったい2人の間に何があったのでしょうか。
事件の詳細
妻を金づちで殴って殺害しようとしたとして、神奈川県警浦賀署は30日、神奈川県横須賀市長沢の無職、榎本達夫容疑者(79)を殺人未遂の疑いで逮捕しました。
榎本容疑者は30日午前10時10分ごろ、自宅マンションのリビングで、椅子に座っていた妻の笙子さん(78)の後頭部を金づちで5、6回殴って殺害しようとした疑いがもたれています。
榎本夫妻は2人暮らしで、榎本容疑者は「他人に売った土地のことで妻ともめていた。妻を殺して自分も死のうと思った」と供述しており、無理心中を図ったとみられています。
殴った後に榎本容疑者自身が119番通報して事件が発覚し、駆けつけた警察署員が榎本容疑者の身柄を確保しました。
榎本容疑者は調べに対し、「殺そうとしたが、殺すことができなかった」と容疑を認めている。
榎本達夫容疑者のプロフィール
名前:榎本達夫
年齢:79歳
職業:無職
住所:神奈川県横須賀市長沢
顔写真については特定に至りませんでしたので、公開され次第更新していきます。
犯行の動機
今回の犯行について榎本容疑者は、「他人に売った土地のことで妻ともめていた。妻を殺して自分も死のうと思った」と供述しており、無理心中を図った可能性があります。
しかしその後、「殺そうとしたが、殺すことができなかった」と供述しているということで、殺人も心中も、一歩踏みとどまる形になりました。
土地を売ってしまい資産がなくなってしまったことについて、妻・笙子さんに責められたといったところでしょうか。
もしくは、騙されたも同然で土地を売ってしまったとも考えられます。
もしかしたら、その土地からいくらかの収入があったにもかかわらず、土地を売ってしまい、今後の収入がなくなってしまうことについて、今後どうするの?といった感じで、そうであれば心中すれば解決する。と考えたということでしょうか。
犯行現場
今回の犯行が行われた場所は、「自宅マンションのリビング」ということですので、「神奈川県横須賀市長沢」の自宅ということになります。
殺人未遂の刑罰
殺人未遂は、「未遂罪」とされており、刑法第203条で「殺人罪」同様に罰せられるとなっています。
一方、刑法第43条の「未遂減免」では「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。」となっています。
このように明確な量刑が定められておらず、刑法上、殺人の場合と同様に罰せられることが刑法第203条に書かれていますが、「未遂罪」においては刑の減軽が刑法第43条で決められているため、懲役5年未満の軽い量刑にされる可能性があることになります。
平成20年4月から平成23年8月までの殺人未遂に関する判決では、懲役3年以下の執行猶予付きの判決が下された事件は全体の31.75%もあります。
殺人未遂罪であっても執行猶予が付いて実刑判決を免れる可能性が考えられます。
終わりに
今回の犯行について、榎本容疑者がどんな感情になったかは定かではありませんが、殺人寸前で思い直したことは不幸中の幸いでしたね。
刑法上でも、自分の意思で犯行を中止した場合は減刑の対象となるようなので、その思いとどまった時の気持ちを忘れず、残りの人生で妻・笙子さんに愛情を注いでいただきたいと思います。