早期警戒「E2D」の性能に関する機密情報を日本国内の商社に漏らしたとして17日、航空自衛隊の元1等空佐の男が、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反容疑で逮捕されました。
今回はこの事件について、犯行の動機やこの罪の刑罰について調べてみました。
目次
事件の詳細
日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反容疑で逮捕されたのは、東京都府中市美好町の航空自衛隊元1等空佐で会社員の、菅野聡容疑者(58)です。
菅野容疑者は、航空自衛隊航空開発実験集団司令部の研究開発部計画課長だった平成25年1月9日ごろ、航空自衛隊入間基地において、特別防衛秘密に指定されている早期警戒機に関するデータを、防衛装備品を扱う日本国内の商社の社員らに対し、パソコン上で表示し画面を閲覧させたうえ、USBメモリーに記録して譲り渡し、漏洩させた疑いがもたれています。
漏洩されたデータは米国メーカー製の早期警戒機に関するもので、平成22年ごろ、米政府から菅野容疑者に提供されたものでした。
菅野容疑者は事件当時、装備品の改善や研究開発に携わる部門の研究室長で、日頃から業務としてデータに接する立場だったということです。
菅野容疑者は調べに対し「やっていません」と容疑を否認しています。
データは問題の商社を経由して25年7月ごろ、製造元とは別の米航空機メーカーに渡り、この米メーカー側が問題視して米政府に通報し、漏洩が発覚しました。
菅野容疑者は29年に退職していて、逮捕当時は航空機関連の会社に勤務していたということです。
これまでに、漏洩されたデータの第三国への流出は確認されていないということです。
菅野聡容疑者のプロフィール
名前:菅野聡
年齢:58歳
職業:会社員(元航空自衛隊1等空佐)
住所:東京都府中市美好町
菅野容疑者の顔画像
犯行の動機
今回の犯行について菅野容疑者は「やっていません」と容疑を否認してます。
動機についても現在はっきりとしたことはわかっていません。
菅野容疑者と商社の間に金銭授受などの事実は報道されていませんでしたので、他に何らかの理由があって情報漏洩したのでしょうね。
情報を得た商社が、早期警戒機を製造したメーカーとは違うメーカーに情報を流したということですから、商社側がこの航空機メーカーに対して何かを要求するために情報を流した可能性はありますね。
「この装備(設備)はおたくの航空機をつくる技術で作れますか?」
といった話がもしかしたらされていたかもしれませんね。
もしくはやはり、容疑者との間に金銭的な何かがあったのでしょうか。
詳細は情報が入り次第更新していきます。
早期警戒機「E2D」とは
早期警戒機は「空飛ぶレーダーサイト」と呼ばれ、水平線下など地上レーダーでは死角に入って探知できない航空機を、円盤状の回転式アンテナでいち早く捕捉できる能力を持った航空自衛隊が誇る航空機です。
今回話の中心となっている「E2D」は、航空自衛隊で運用されている「E2C」の後継機です。
アメリカ合衆国のノースロップ・グラマン社が製造しています。
犯行現場
今回の犯行が行われた場所は、「航空自衛隊入間基地ということで、以下の場所になります。
河野太郎防衛大臣のコメント
河野太郎防衛大臣は今回の事件を受け、
「国民の信頼を損ない、日米間の信頼関係を揺るがしかねない事案で、大変遺憾だ」
とコメントしています。
日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反の刑罰
日米相互防衛援助協定(MDA)に基づき、米国から供与された航空機などの構造、性能を秘匿度の高い「特別防衛秘密」とし、業務上知り得た者が情報を漏洩、または探知や収集するなどした場合、「10年以下の懲役」が科せられます。
情報を漏洩したかどうか、または過失の有無など、犯行に及んだ状態がどのようなものだったかにより罪の重さが違うようです。
条文内で「特別防衛秘密を他人に漏らした者は、5年以下の懲役に処する」とありますので、今回の犯行がこれに該当する可能性がありますね。
世間の反応
今回の事件についての世間の反応を紹介します。
「動機や背後関係を徹底して調べる必要があります。味方を危険にさらす重大な機密と知っての上でしょうから、厳罰に処さなければ米国からも疑われることになります。」
「商社がUSBで情報欲しがるということは、やられたかも知れない。日本はスパイ天国だからね。商社の社員が中露の手先だということは十分あり得る。勿論、日本政府は「漏洩はない」と言うだろうが、日本の重要な防空情報だから、漏洩があればダメージは少なくない。漏洩があった前提で防空体制を構築してもらいたい。」
「社員も逮捕出来ないのかな?日本のスパイ防止法が必要だと思います。最高刑は死刑にしてほしい。」
「一等空佐は、幕僚長、空将、空将補に次ぐ地位。軍隊なら大佐に当たる高い地位。そういう地位の人が漏洩と聞くと驚くが、逆にそういう地位しか知り得ない情報もあり、それで近づく者も居るわけだ。この件はそういう事だろうと思う。」
「日米相互防衛援助協定に伴う秘密保護法。これってアメリカの情報に対するスパイ防止法。アメリカの軍事機密に対してと、同じことが日本の軍事機密にできないのは、そろそろなんとかすべきでは?」
「しっかり捜査して容疑の通りであれば、国家反逆罪で処刑してもいい案件だと思います。」
「早期警戒機の情報って最重要だよ、、、しかも一等空佐だよ、これ米国から問われるわなぁ、、、E-767なのかE-2Dなのかわからないけれど、日本の早期警戒管制機は日米でも最高性能のものだ。この手の情報管理をもっと徹底しないと、レッドチームに流出したら最悪だ。」
「やはり早期にスパイ防止法は必要ですね。いつまでもスパイ防止法がないと安全保障上問題でしょう。」
「国防の情報は国家守る組織では言うまでも無く厳重処分及び背後関係も捜査願います。」
「警察、検察庁等司法当局の逮捕者の個人情報漏洩者も逮捕されてはどうですか。国の公務員が秘密漏洩したのですから逮捕されて当然ですね。おかしな国ですね。」
「本人は否定しているようなので、仮に、これが事実だとしたら、とんでもない話で、とても個人の処分だけで済まされるものではないでしょうね。日本国の防衛に関わる極秘書類を漏洩したとなれば、米国から提供されたものだけに、日本の信頼は確実に失墜し、国防上、日本国民は重大な損害を受けたと言えるでしょうね・・。いい歳をして、情けないい・・」
「スパイ防止法が必要だって!そして軍法も!軍法がないから何の緊張感もないし、軍隊としてあり得ない。商社はどこ?伊藤忠だったら中国に流れている可能性がある!とにかくスパイ防止法と共謀罪が必要。」
「日本の商社だからといって日本人とは限らないな」
「安保、安保つっても、これじゃ米国も迂闊に日本と技術提携できなくなる。現に以前、詳細は伝えられていないが機密漏洩の可能性が極めて高いという理由でラプターの購入を拒否されたし…。政治家は自分達を厳しく取り締まる組織が現れるのが嫌だから、米国でいうCIAのような機関を作りたがらないし…。マジで「今すぐそこにある危機」をなんとかしないと!」
「情報提供した裏には、必ず相応の見返りがあり、見返りのない情報提供というのはあり得ない。情報提供した者は、見返りがチラついて頭の中がホワイトアウトしているから、それをコンプラ違反と天秤にかけたとは思うが「見返り」が勝ったということで、その結果のツケは大きいということである、これは議員も同じである」
「一等空佐…軍属の言い方なら大佐だよね。上は将しか無いのだから、エリートって言って差し支えないと思う。そんな立場の人の漏洩…余程の見返りが有ったのだろうな。」
終わりに
今回の犯行は、国の未来が危ぶまれる行為だったことは間違いないでしょう。
これで米国の信頼までもが失われたら、近隣市諸国とのバランス関係も崩れかねません。
それほどまでなにかの見返りがあったということでしょうか。
容疑者におかれましては、今回の行為がどれだけ危険なことだったかを改めて認識していただきたいですね。