鹿児島県宇検村にある特別養護老人ホームの施設長ら4人が、先月行われた参議院選挙の不在者投票で、入所者の代理投票を行う上で不正な投票を行ったとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。
なぜこのようなことが起こったのでしょうか。いろいろと調べてみました。
事件の詳細
逮捕されたのは、宇検村にある特別養護老人ホーム「虹の園」の施設長の中田みどり容疑者(71)や、事務長などの職員の合わせて4人です。
4人は参議院選挙の期間中の先月中旬、この老人ホーム内に開設された不在者投票所に、入所者の70代と80代の女性4人を連れて行き、不正な代理投票を行ったとして、公職選挙法違反の疑いが持たれています。
代理投票は、体の障害などで自分で投票用紙に記入できない有権者が対象となり、指定された代理人が有権者の意思に従って代わりに行うことができます。
この4人の入所者はいずれも、投票を行う候補者名などについて意思表示できない状態だったということです。
中田施設長らは、4人の入所者に交付された投票用紙と比例代表の投票用紙に、特定の候補者名など統一した記載をし、勝手に書いて投票した疑いが持たれていて、この行為は公職選挙法が禁止している投票の偽造にあたるとのことです。
警察は老人ホームの家宅捜索をして調べを進めていますが、中田施設長らが容疑を認めているかどうかは、捜査に支障があるとして明らかにしていません。
施設には40人超が入所しており、県警は投票の実施状況を詳しく調べると同時に、他の職員の関与がなかったか調べています。
中田みどり容疑者のプロフィール
名前:中田みどり
年齢:71歳
職業:特別養護老人ホーム「虹の園」・施設長
住所:鹿児島県宇検村平田
その他の容疑者
中田容疑者の他に逮捕されたのは、次の3人です。
鹿児島県宇検村・中田晴美容疑者(52)
鹿児島県奄美市・朝井光徳容疑者(58)
同じく奄美市・朝野繁子容疑者(59)
犯行の動機
今回の事件について、明確な動機はまだ公表されていません。
今回の状況を整理すると、意思表示できない入所者の投票用紙に勝手に同じ候補者の名前や政党を書いたということですので、入居者から指示されていないのに書き込んだということは明確です。
しかし、中田容疑者らが今回のような違反行為があるということを知っていたのでしょうか。
おそらく今回の行為が違反に当たるということを知らずに、入所者が意思表示できないからこちらで書いてしまおうといった軽い気持ちで、代理投票を行った可能性も十分考えられます。
反対に、違反だと知っていて、入所者らが意思表示できないのを利用して、中田容疑者らが支持する候補者や政党に代理投票したという見方もできます。
何が真実なのか、情報が入り次第更新していきます。
犯行現場
今回の犯行が行われた場所は、特別養護老人ホーム「虹の園」内に開設された不在者投票所になります。
特別養護老人ホーム「虹の園」
住所:
特別養護老人ホーム「虹の園」のコメント
特別養護老人ホーム「虹の園」は「今、事情を知っている者がおらず、警察の捜査を受けている段階なのでコメントできない」としています。
他の職員が関与していないといいですね。
公職選挙法違反(投票偽造)の刑罰
公職選挙法第237条(詐偽投票及び投票偽造、増減罪)には下記のように定められています。
「第3項:投票を偽造し又はその数を増減した者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。」
と、このようになっています。
今回の不正の状況などにもよるとは思いますが、結構厳しい刑罰ですね。
終わりに
今回の事件は、様々な見方ができるように感じましたが、いずれにせよ入所者の意思がないにも関わらず、記名し投票してしまうのはかなり問題がありますね。
もしかしたらその一票で選挙の結果が変わっていたかもしれないわけですから、公正性が危ぶまれた重大な行為でした。
中田容疑者らは、職業柄こうし行為を過去にも行っていたのでしょうか。
そうであれば、今回を機に今後一切、意思のない投票は辞めていただきたいと思います。