大阪府吹田市で警察官が男に襲われ拳銃を奪われた事件で、大阪府警は17日、犯人の男を逮捕しました。
今回は、犯人の人物像、事件現場など、いろいろと調べてみました。
事件の詳細
引用:日本テレビ「ZIP」より
事件は16日午前5時40分ごろ、吹田市の千里山交番前で吹田署地域課の古瀬鈴之佑巡査(26)の胸など複数箇所包丁で刺され、さらに実弾5発が入った拳銃1丁が奪われました。古瀬巡査は意識不明の重体となっています。
事件前に空き巣被害を訴える虚偽の110番があり、交番の警察官2人が急行。古瀬巡査は1人残った際に襲われたとみられ、計画的な犯行の可能性がありました。
交番近くの防犯カメラに不審な男が映っており、画像を公開して情報提供を呼び掛けていました。
事件発覚当時、犯人の男の特徴は「身長170センチから180センチくらい、年齢30歳くらい」犯行当時は「黒っぽいジャンパー」を着用していたという情報でした。
府警は外出を控え、自宅の施錠を徹底するよう呼びかけ。「不審な人物を見かけたらすぐに110番してください」としていました。
飯森裕次郎容疑者の逮捕
大阪府警は17日、強盗殺人未遂容疑で指名手配していた東京都品川区の職業不詳、飯森裕次郎容疑者(33)を隣接する箕面市内の山中で逮捕しました。
逮捕時、同容疑者は強奪した拳銃を所持しており、入っていた実弾5発のうち、1発は発射した痕跡があるということです。
事件発生から約20分後の16日午前6時ごろ、交番近くの千里山西の住宅街で「破裂音を聞いた」という複数の情報が吹田署にありました。
府警が調べたところ、拳銃の発射による被害は確認されてはいませんでしたが、おそらくこの破裂音が発射された実弾の1発なのかもしれませんね。
また飯森容疑者は「私のやったことではない。私の思うことは、病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせい、ということ」と述べ、容疑を否認しているということです。
何を言いたいのかよくわかりませんね。
事件当時の飯森容疑者の行動
上記は、捜査段階で公開された飯森容疑者の事件前後の行動です。
飯森容疑者に似た男の足取りを防犯カメラの映像を基に追跡した結果、飯森容疑者の行動が浮き彫りになってきました。
府警が事件当時公開した防犯カメラの映像には、飯森容疑者とよく似た人物が映っていて、大阪府吹田市内のビジネスホテルに2日前の14日から、1泊2日の日程で宿泊していた可能性があるとしていました。
男は14日からホテルに宿泊し、15日朝にチェックアウトしていて、宿泊していた男は白っぽい帽子やメガネなどを身につけており、府警が公開した写真の男と特徴がよく似ていたということです。
ホテルは事件のあった交番から北に約2キロにありました。
飯森容疑者は事件直前、事件が起きた千里山駅の隣駅の関大前駅構内から、空き巣に遭ったと嘘の電話をかけていました。
16日早朝犯行を終えた飯森容疑者は、吹田市内のショッピングモールで服やスニーカーなどを購入し、同日午後8時すぎには箕面市の山中に入ったことが判明しています。
17日早朝、捜査員が山中のベンチに横たわる同容疑者を発見し、午前6時35分ごろ、身柄を確保しました。
犯行後の行動詳細
引用:日本テレビ「ZIP」より
午前5時38分に千里山交番前で犯行に及んだ飯森容疑者は、事件から約3時間半後の午前9時過ぎ、現場から北に約4.5キロ離れた「イオン北千里店」で上写真のようなジャンパーなどの着替えを購入しました。
その後も北上し午前9時40分、箕面市今宮のコンビニエンスストアの防犯カメラが、店の前の路上を通過する姿を捉えていました。
さらに4分後の午前9時44分、同市石丸のホームセンター「コーナン箕面今宮店」で虫除けグッズを購入し、午前10時47分には、別のコンビニで携帯電話の充電器や電池を購入していたことが確認されていました。
事件から5時間余りで逮捕された山中近くに移動した飯森容疑者ですが、午後8時過ぎまでコンビニと山中へ向かう途中の住宅街を行き来する姿が複数の防犯カメラに残されていました。
しかしそれ以降、飯森容疑者がほかの場所に移動する姿が見られず、府警は山中に潜んでいる可能性が高いと判断し、日の出とともに入山。
17日午前6時34分、飯森容疑者の身柄を確保、逮捕にいたりました。
飯森容疑者の人物像
飯森容疑者は事件当時、東京都内のゴルフ練習場の清掃のアルバイトをしていたとのことで、運営会社側は飯森容疑者の普段の様子を「勤務は真面目で、トラブルはなかった」と語っていました。
また飯森容疑者は以前、海上自衛隊に勤務していたとみられています。
2015年から、岩手の民放テレビ局の関連会社に勤務していましたが、8カ月後に退職しているとのことです。
勤務先の広報担当者は「このようなことが起こるとは、想像もできなかった」「トラブルはなく、勤務していたということは聞いている」「すごくコミュニケーションがかったつではないが、真面目にコツコツやるタイプだった」と話していて、これらのことからも、普段はいたって真面目だった様子が伺えます。
「11日の勤務が終わり、その日に体調が悪いので、12日以降お休みさせて」と対面で従業員が受けたとのこと。
勤務していた東京・大田区のゴルフ練習場の運営会社によると、飯森容疑者は、2018年11月から清掃のアルバイトとして、週5日ほど働いていました。
勤務態度は、真面目だったということだが、体調不良を訴えて、6月12日から仕事を休み、その後「6月いっぱい休みたい」と話していたそうです。
しかし、事件前日の15日夕方、飯森容疑者から電話で、「早めの復帰ができそう。25日くらいに復帰したい」と連絡があったということです。
事件現場
交番は阪急千里線千里山駅前のロータリーに面していて、特段人通りが少ないという我所でもないようですが、事件があったのは早朝ということもあり、その時間は人通りが少なかったのかもしれません。
事件当時の近隣の対応
今回の事件で、府立の高校、支援学校の行事・クラブ活動などの中止、市内の公共施設は全館閉館になり、行事などもすべて中止になりました。
関西大学はオープンキャンパスの中止を発表するなど、対応に追われていました。
また容疑者が検挙されない場合、17日(月)は公立小・中学校を臨時休校すると発表していて、吹田市は「6月17日(月)午前7時の時点で犯人が捕まっていない場合は、児童・生徒の登校を見合わせる」としていました。
大阪府知事は「犯人は拳銃を持っているので、まずは安全確保を第一に考えていただき、さらに家の施錠を徹底して欲しい」と述べていました。
住民の声
ある人は「今日は少年野球の試合がある日だったので、すぐさま中止にしてもらうよう連絡を入れた。犯罪とは無縁な静かな街なので、正直怖い。子どももいるので、早く犯人が捕まって欲しいですね」と逮捕前に語っていました。
重傷を負った警官が搬送される現場を目撃した近隣の住民は、「6時前にパトカーのサイレンが鳴り響き、なにごとかと思い自宅を飛び出し、自転車に乗って追いかけた。千里山駅に着くとちょうど刺された警官が救急車に運び込まれるところだった。顔まで血に染まって真っ赤だった。意識はあるようで、別の警官が『大丈夫か?』と声をかけると、なにか返答している様子だった」と生々しい様子を語りました。
現場に居合わせた別の人は「あおむけで胸に両手を当てていて、血も相当流れていた。おそらく刺されて倒れているんだろうと思った」
とその当時の、緊急性や凄惨な様子など、はっきりと残っているようでした。
終わりに
拳銃強奪というほとんど前例のない今回の事件に、大阪では警戒をしていましたが、時間を置かずに犯人逮捕という運びになり、本当に良かったですね。
今回の犯人は、供述だけを見ると容疑を否認し、よくわからないことを話しているようですので、今後の捜査では、アルバイトをしている時のような真面目な一面とはまた違う内面が浮き彫りになってくるかもしれませんね。
今後の動向も気になります。