大戸屋ホールディングスは4日、全国にある「大戸屋ごはん処」約350店舗を3月12日に一斉休業とし、従業員の再教育を行うことを発表しました。
アルバイト店員による不適切な行為がSNS上に動画投稿されたことを受け、今回の施策に踏み切りました。
今回はことの発端から調べてみましたので、ご紹介します。
アルバイト店員による悪ふざけ
問題となっている動画が撮影されたのは、昨年夏〜年末にかけて、大阪の泉佐野市にある「りんくうシークル店」です。
顔を隠したアルバイト店員が、裸の下半身を配膳用のトレーで覆っているという内容の動画がSNSに投稿されました。
投稿された動画はSNS上でまたたく間に拡散され、今回の騒動に至りました。
同社はこれに関わった3人を、2月18日付けで退職処分にして、法的措置も視野に入れているといいます。
信頼回復への施策
前述の通り、3月12日に全国一斉休業を行い再発防止に向けた勉強会を実施することとなりました。
正社員のみならずアルバイトにも参加してもらい実施することが決定しており、現場にスマートフォンや携帯電話の持ち込みを禁止することなど、改めてルールを確認、徹底するとのことです。
また衛生面への意識を高めるため、店舗や事務所の清掃も行うそうです。
同社はこの度の不適切行為によって失った信頼を取り戻すため、一日休業を行い全従業員が飲食店で働くことの社会的意義を再認識するとしています。
尚、通常営業で見込まれている一日の売上は全体で約1億円とされていますが、今回の一日休業によりその金額が丸々確保できないといいます。
しかしそこまでしてでも信頼回復をしたいという決意の現れを、従業員全体に感じさせたい狙いがあるようです。
広報の会見
大戸屋ホールディングス広報担当の岩熊栄一氏は、会見で以下のように発表しています。
心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
私どもは外食産業、「食」を扱う企業でございます。このたびの不適切動画の中には、食べ物を非常にぞんざいに、粗末に扱うような映像が出ました。私どもはこれを極めて重く受け止めておりますので、(休業で)一斉にここから新たな一歩を踏み出していこうと。
またここでは、上記の「信頼回復への施策」にもあるように、従業員への規則遵守の徹底や店舗の清掃についても述べられていました。
街の声
では今回の施策決定に対して、街の人々はどう感じているのか聞いたところ、
「たった1日休んで何をするかわからないけれど、1日というのは甘いのではないか」
という意見や、
「1日は少ない。教育し直して、ひとりひとりが自覚を持って仕事してほしい」
などやはり厳しい意見が。
しかしそれと反対に、
「そんなにしなくても動画をやった人が処分を受ければよい」
という店の責任ではなく、個人の責任を問う意見も。
また、
「形だけ休んで、信頼回復のための施策と思っているなら、それは違う。
今回の研修をしっかりと全従業員に伝えることが後々の結果につながる」
という、信頼回復に向けた施策への意見もありました。
大戸屋の歴史
1958年1月、池袋東口に「大戸屋食堂」として創業。
このときはまだ貧乏学生御用達の安飯屋でした。
1983年5月、株式会社大戸屋を設立。
1992年に吉祥寺店で火災が発生しており、建て直しの際「おしゃれな定食屋」というコンセプトに路線変更したところこれが当たり、以後女性一人でも入りやすい定食屋として成長しました。
2001年、店頭市場(現ジャスダック)に上場。
現在は国内342店舗、海外94店舗にまで規模を拡大しています。
まとめ
最近こうしたアルバイト店員による悪ふざけをSNSに投稿するという行為が増えてきていますが、これにより企業側のイメージが著しく損なわれ、不利益を被ることを最近ではバイトテロと呼ぶそうです。
その名の通りアルバイトによる企業へのテロ行為ということになりますので、この行為の社会的な危険性はかなりのものです。
最近ですと少し前に、牛丼チェーンの店員が店内のものを使って悪ふざけをしていたり、寿司チェーンの店員が食材をゴミ箱に捨ててそれをまた拾っていたりと、同様の行為が横行しています。
こうした行為は、アルバイトを多く抱える大手チェーン店に見られるようです。
経営上、アルバイトがその企業の戦力として必要不可欠なことは、すでに世の中の常識となっていますが、こうした報道を受け、アルバイトを雇っている企業は従業員の就業態度など、もう一度見直してみてもいいのかもしれませんね。