25日午前9時20分ごろ、山形県鶴岡市小波渡の国道7号で、大型トラックが乗用車に追突し、はずみで進行方向左側のガードレールを突き破り、約5メートル下の砂浜に転落しました。
トラックには自衛隊の砲弾10トンが積まれていたとのことで、今回はこの事故について調べてみました。
詳細
25日午前9時20分ごろ、山形県鶴岡市小波渡の国道7号線で、自衛隊の砲弾、9.7トンを積んだ運送会社のトラックが、右折するために止まっていた乗用車に追突し、道路左側のガードレールを突き破って、およそ5メートル下の海岸に転落しました。
陸上自衛隊は運送を民間業者の「日本通運」に委託し、広島県江田島市の火薬製造会社「中国火薬」の弾薬工場を24日に出発して北海道白老町の白老駐屯地へ砲弾約10トンを運んでいました。
警察によりますと、この事故で、トラックに乗っていた2人が病院に搬送されましたが、意識はあるということです。
砲弾を積んだトラックは海岸で横倒しになっていますが、積み荷は散乱しておらず、警察が自衛隊に確認したところ、砲弾が爆発する危険性はないとのこと。
現場は、鶴岡市南部の日本海沿いを走る見通しのよい片側1車線の直線道路で、道沿いに住宅などが並んでいて、付近の国道はこの事故のため、半径50メートル3時間半にわたって通行止めとなりました。
警察が、自衛隊に砲弾の回収を要請しています。
事故現場
事故現場は、山形県鶴岡市小波渡(こばと)ということで、事故写真のテトラポットの位置や、海岸の形状、ガードレールや手すりの形状から推察するに、以下の場所と考えられます。
住所:〒999-7462 山形県鶴岡市小波渡甲205-42
この住所付近の海岸です。
トラックの運転手
トラックを運転していた男性(25)と同乗の男性(44)は、口の中を切るなどの軽傷。
運転手の身元までは発表されていないようです。
自衛隊のコメント
陸上自衛隊によると、トラックの積み荷の砲弾に爆発の危険性はないといいます。
さらに陸幕広報室は、砲弾の種類を明らかにしていません。
砲弾内には着弾した際に爆発する火薬が装填(そうてん)されているものの、信管が抜かれており、安全性は保たれているといいます。
砲弾を発射させるための火薬の部分とは分離したタイプのため、衝撃などで誤発射する危険性もないとしています。
危険物であることは間違いないわけですが、上記の理由から運搬を民間業者に依頼することは通常からあることだそうです。
山形県の陸上自衛隊神町駐屯地、第6師団司令部広報室によると、砲弾の積み替え作業は役務契約に基づいて業者側が行い、第6師団側が現場に立ち会って監督するとしています。
目撃者・付近の住民の声
現場近くの自宅にいた漁師の今野正伸さん(69)は、ガシャーンという大きな音を聞き、すぐに現場に駆け付けたそうです。「荷室に砲弾が積んであるとは思わず、現場に近づいた」と話し、その後積み荷が砲弾であると知らされ、「何事もなく安心したが、もし爆発していたら大変なことになっていた」と話していました。
車を運転中、事故を目撃した市内の60代女性は、追突された車について「右折しようとし、(対向車との)タイミングが合わずにブレーキを踏んだように見えた」と話していて、その後追突したとのこと。
付近に住む山村聡さん(53)は、「砲弾が爆発しなくてよかった。海に車の油などが流れていなければいいが」と話していました。
別の近くの男性(60)は「ジェット機が通ったような音が響いて、びっくりした」と事故当時を振り返りました。
終わりに
筆者の知り合いに自衛隊の知人がおりますが、今回の事故について上記に示した通り、最近の砲弾は安全性が確保されていて、衝撃で爆発することはまずありえないと言っていました。
しかしながら、何も知らない一般市民が砲弾を積んだトラックが転落と聞けば、爆発するのでは?と思っても仕方ありませんよね。
車両火災となれば、さらにその危険が増すわけで、今回の事故については本当に何事もなく良かったと胸をなでおろしているところです。