森肇教授、共同の特許、自分のものと偽り契約?懲戒解雇【京都工芸繊維大学前副学長】

京都工芸繊維大学

京都工芸繊維大学の前の副学長が、大学で共有する特許の独占契約を、海外企業と無断で結ぶなどしていたとして、前副学長を12日付けで懲戒解雇の処分にしました。

なぜこのようなことが行われたのでしょうか。いろいろと調べてみました。

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詳細

懲戒解雇の処分を受けたのは、京都工芸繊維大学の前副学長森肇教授(60)です。

森教授は4年前の平成27年、大学と共同で取得した医薬品開発につながる特許の権利を、自らが設立したベンチャー企業「プロテインクリスタル」(PCC)の単独の特許と偽って、イギリスのバイオベンチャー企業に独占使用できる権利を譲渡する契約を不正に結んだほか、事務局に虚偽の証言をするなど計5つの不正行為を行ったということです。

特許は、感染症などの治療薬の製造、使用方法に関する内容とのことで、森教授は当持、大学の知的財産を管理する責任者だったということですが、学内での手続きや審議は行わず、無断で行ったということです。

イギリスの企業からは、森教授のベンチャー企業に使用料が振り込まれていたとみられていて、大学では、森教授への損害賠償を検討することにしています。

昨年1月に内部告発があり発覚しましたが、森教授は聞き取りに対して、「特許については、自分が開発したもので、大学のものではない」と話していて、不正を否定しているということです。

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森肇教授のプロフィール

森

引用:https://www.kit.ac.jp

名前:森肇

年齢:60歳

職業:大学教授【京都工芸繊維大学の前副学長】

森教授は14年4月~18年3月、知的財産管理担当の理事、副学長。

研究内容は以下のように掲載されていました。

近年、バイオテクノロジーの進歩により、産業における昆虫機能の利用法は大きく様変わりしてきました。昆虫工学研究分野では、カイ コにかかる昆虫ウイルスや、カイコの生体機能を利用したバイオテクノロジーに関する教育・研究に取り組んでおり、また、昆虫を用いた産業に貢献していくこ とを目的としています。その一環として、昆虫ウイルスの封入体タンパク質である多角体タンパク質の構造解析を行い、多角体の結晶化と解離の仕組みや、多角 体へのタンパク質固定化の仕組みを明らかにしてきました。この多角体に関する知見に基づき、増殖因子を固定化した多角体を用いた哺乳類細胞の分化・増殖のコントロール技術の開発を行い、再生医療分野に貢献することを目指しています。加えてカイコ個体の染色体遺伝子を人為的に組換えるトランスジェニック技術 を開発し、新しい有用性を付加した絹繊維の開発やタンパク質の生産性に優れたカイコ個体の開発を目指しております。

引用:http://www.bio.kit.ac.jp

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単独契約の動機

今回の件について森教授は、「特許については、自分が開発したもので、大学のものではない」と話していて、不正を否定しているということです。

しかし実際は特許取得のための研究については、大学の施設も使用していたこともあり、共同開発の事実はあったということですから、これだけ見てしまえば、自分の会社の利益しか見ていないと判断されても仕方ありませんね。

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大学のコメント

京都

引用:https://ja.wikipedia.org

大学側は「(森教授の)対応は保身に走っており不誠実だ」と指摘、背任罪での刑事告訴についても検討しているとのことです。

さらに「1人に多くの権限が集中したのが大きな原因」と問題点を説明しました。

また、京都工芸繊維大学の森迫清貴学長は、「管理体制の不備を痛感し、学生や社会の皆様に深くおわび申し上げます。再発防止に向けて、これまでの体制を抜本的に見直し、信頼回復につとめたい」とコメントしています。

以下はホームページに掲載された大学のコメントです。

教員の懲戒について

この度、本学 応用生物学系 森肇教授(前理事・副学長(知的財産管理担当))が、本学に無断で、契約の締結や冒認出願(特許を受ける権利を有していない者が出願すること)等をはじめ、5項目にわたる不正な行為を行ったことが確認されました。それらの多くは、本学の知的財産の責任者である理事・副学長の立場を利用して、自身が立ち上げたバイオベンチャー企業「株式会社プロテインクリスタル」に利益還元できるように、任務違背行為を行ったものです。以上を踏まえ、令和元年9月12日付けで当該教授に対し懲戒解雇の懲戒処分を行いました。
教育職にある者が行ったこれらの不正な行為は、本学の規則に対する重大な違反行為であり、本学の信用を傷つけ、職員全体の不名誉となるような行為であります。
特に理事・副学長の要職についていた者がこのような不正行為を行っていたことは、極めて残念であります。管理体制の不備等を痛感し、本学学生や社会の皆様に対して深くお詫び申し上げます。
大学が社会から信用と付託を受けて高等教育を行う使命を担っていることを肝に銘じ、再発防止に向けてこれまでの管理体制を抜本的に見直すとともに、これまで以上にコンプライアンスを徹底し、全学の教職員が一丸となって信頼の回復に努めてまいります。

令和元年9月12日
国立大学法人京都工芸繊維大学長
森 迫 清 貴

引用:https://www.kit.ac.jp

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京都工芸繊維大学の場所

京都工芸繊維大学

引用:https://ja.wikipedia.org

京都工芸繊維大学の所在地は以下の通りです。

住所:〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町

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背任罪とは

今回大学側は、背任罪での刑事告訴についても検討しているとのことで、以下はその背任罪の詳細になります。

背任罪(はいにんざい)とは、刑法に規定された犯罪の一つで、日本においては、他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときに成立するというものです。

この犯罪を犯した者は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(247条)。

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9月27日追記・大学を提訴

森肇前副学長(60)が27日、解雇処分は無効として大学側に地位確認と慰謝料など約1100万円を求める訴訟を京都地裁に起こしました。

森氏の代理人弁護士は「過去の問題を不当に蒸し返しており、次期学長と目される森氏に対する大学側の『粛清』だ」と指摘しています。

大学側は「訴状を見ておらずコメントできない」としています。

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終わりに

今回の件は、森教授にそのつもりがなくても不正だと言われてしまうリスクがあったことは間違いないでしょう。

特許を単独で使用する契約を結ぶ前に、大学側と話し合いがあってもよかったことだけに、信頼とともに、これまでの功績が水の泡と消えてしまいそうな出来事で非常に残念ですね。

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