東京マラソンは3月2日、あいにくの雨の中決行されました。
レースは序盤から日本記録を狙えるペースで展開され、昨年シカゴマラソンで日本新記録をマークした大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)に注目が集まりました。
そんな大迫選手はじめ、多くの有名ランナーがしのぎを削りましが、波乱の展開も・・・
今回はレース結果と合わせて、何名かの選手にフォーカスしてみました。
大迫まさかのリタイア
前述の通り、序盤は日本記録を更新するペースでレースは進み、大迫選手は快調に飛ばしていました。
しかし20キロ過ぎ、徐々に先頭集団から遅れ始め、28キロ過ぎには苦しげな表情で歩きはじめました。
そしてついに29キロ地点で寒さに肩を震わせながらリタイヤとなりました。
レース後大迫選手は、レース開始前から寒さを感じており、体が思うように動かないことを意識していたと語っていました。
スタート時の気温は雨も相まって5.7℃と、マラソンには少々寒すぎました。
すでにMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の出場を決めている大迫選手は、大事に至る前に次を見据え棄権を選択したのでしょうね。
日本人1位は堀尾
日本人1位を獲得したのは、中央大学の堀尾謙介選手。
総合5位と惜しくも表彰台を逃しましたが、学生では初のMGC出場権を獲得しました。レース後堀尾選手は、
「30キロ過ぎても余裕があり、どんどん行こうと思った。実力のある選手ばかりだったので、MGCを獲得できたことに驚いている。日本人トップという結果が素直に嬉しい。これからMGCに向けて取り組んでいきたい。」
と喜びを口にしていました。
三代目山の神、神野の結果
青山学院大時代、箱根駅伝で活躍した「三代目山の神」こと神野大地選手(セルソース)は、8位に入りワイルドカードでMGC出場権を獲得しました。
2017年12月にマラソンデビュー以降、昨年9月のベルリン、12月の福岡国際は共に不本意な結果に終わっていた。
そこのきて今回のMGC出場権獲得は、彼にとって大きな躍進となりました。
MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)とは
マラソングランドチャンピオンシップ(Marathon Grand Championship)は、2019年9月15日に開催される予定のマラソン大会です。
2017年8月23日、日本陸連より東京オリンピックマラソン競技の代表選考会として2019年9月以降の開催が発表されていました。
マラソンコースは東京オリンピックで使用するコースと同じですが、スタート・フィニッシュ地点の新国立競技場が未完成のため、明治神宮外苑周辺に設定する予定です。
またオリンピックのテスト事業としても実施される予定とのことです。
選考過程
ではそのMGCどのような選考があるのか、そちらも調べてみました。
2017年から2019年にかけて行われる指定された大会を「マラソングランドチャンピオンシップシリーズ」と名付け、一定のタイムと順位をクリアするとMGC本大会出場権を得られるしくみとなっています。
上記以外の国際陸上競技連盟が指定する公式な大会においても、条件を満たせばワイルドカードとして出場権が得られます。
MGCで男女各2名が東京オリンピック日本代表に内定し、残り1枠は「マラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ」と名付けて、指定された大会で争います。
ちなみに、今大会のMGC出場条件は、日本人1〜3位で2時間11分以内、もしくは日本人4〜6位で2時間10分以内(すでにMGC出場を決めている選手が入賞している場合は、その選手は除く)というものでした。
終わりに
大迫選手のリタイアという波乱もあった今回の東京マラソンですが、ここで紹介した選手以外にも活躍した日本人選手はたくさんいました。
元祖山の神、今井正人選手(日清食品)、設楽啓太選手(日立物流)、中村匠吾選手(富士通)、佐藤悠基選手(日清食品)などなど、箱根駅伝時代から長距離会を牽引してきたメンバーが顔を揃え今大会に臨んでいました。
それだけに、私個人としてはすごく見応えのある大会だったと感じています。
今後MGC出場を決めた選手たちには、MGCファイナルチャレンジが控えているわけですが、是非そこで今日よりもより質の高いパフォーマンスを発揮していただきたいと思います。