8日午前10時15分ごろ、滋賀県大津市大萱6の交差点で車2台の絡む事故があり、そのうち1台がぶつかった衝撃で近くにいた保育園児や保育士ら十数人の列に突っ込みました。
これにより2歳の男児と女児が死亡しました。
このような痛ましい事故が起こってしまったことについて、事故を起こした人物や死亡した園児の情報など、様々公開されていますので、今回はこの事故について調べてみました。
事故の詳細
8日午前10時15分ごろ、大津市大萱6丁目の県道交差点付近で、「保育園児の列に車が突っ込んだ」と近所の住民から119番通報がありました。
事故は、直進してきた車に右折車が接触し、その衝撃で直進車が保育園児の列に突っ込むという内容。
巻き込まれたのは、事故現場から南に約200メートル離れた「レイモンド淡海保育園」の園児達で、散歩中に信号待ちをしていました。
滋賀県警や大津市消防局などによると、園児13人と保育士2人が搬送され、園児2人が死亡、2人が意識不明の重体となっていましたが、うち1人は意識を回復しました。
県警はそれぞれの車を運転していた2人を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕し、事故当時の状況を調べています。
事故を起こした容疑者
滋賀県警は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで2台を運転していたいずれも大津市の無職、新立文子容疑者(52)と下山真子容疑者(62)を現行犯逮捕しました。
大津署によると、右折しようとした新立容疑者の乗用車が対向車線を直進してきた下山容疑者の軽乗用車と接触し、はずみで下山容疑者が運転する軽乗用車が園児らがいる歩道に突っ込み園児らをはねました。
下山さんについては、8日夜に釈放された。
死亡した園児
滋賀県警大津署によると、計15人が病院に搬送され、大津市大江の伊藤雅宮(がく)ちゃん(2)と、原田優衣(ゆい)ちゃん(2)が死亡しました。
事故現場
現場は大津市大萱6丁目の県道交差点。
琵琶湖に架かる近江大橋の南東で、住宅や宿泊施設が立ち並ぶ地域の信号もあります。
保育園側のコメント(園長の声)
保育園を運営する社会福祉法人檸檬(レモン)会の前田効多郎理事長は「亡くなった園児の未来を思うと残念でならない」と声を詰まらせました。
レイモンド淡海保育園は、夜に保護者説明会を開き、9日は休園して、当面、散歩を取りやめると話しました。
同園から午前10時すぎ、いつもの散歩コースに出発。
15分後、琵琶湖の岸の方へ行くため信号を待っている際に、突然車が園児の列に突っ込んできました。
散歩は45分で戻るはずだったということです。
亡くなった2人の園児について若松ひろみ園長は
「とても素直でいつも笑顔を絶やさない子だった。いつも園長先生といってくれるかわいい子でした‥これ以上何も言えないです。ごめんなさい」
と、涙声を詰まらせました。
被害に遭ったのは同園のうさぎ組の13人。まだ救急搬送され治療中の子どもたちについて同園は「一日も早い回復を」と祈った。
死亡した園児の遺族のコメント
亡くなった2人の園児の遺族は警察を通じてコメントを出しました。
原田優衣ちゃんの父、学さんは手書きで心情をつづっています。全文は次のとおりです。
2019年5月9日
報道関係各位青葉の候、各位ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さる2019年5月8日、滋賀県大津市にて残念な事故が起きました。その中で、私共の娘、原田優衣が今回の不慮な事故に巻き込まれ、わずか2年10ヶ月という短い人生に幕を閉じました。
レイモンド淡海保育園におかれましては、短い期間ではありましたが娘のかけがえのない笑顔を見守ってくれた事には感謝の意しかなく、今回の事に囚われることなく今後も小さな命に寄り添い、共に歩み続けることを娘もきっと望んでいます。
私共家族としても、家族5人で苦楽を共にし、普通に過ごせると思っておりましたので、今回、娘優衣の突然の逝去に関しては驚きを隠せず、現実とは思えませんでした。
然しながら、今自宅で、話をせず、いつも明るく、いたずらっぽい笑顔も見せることもなく、ずっと寝ている娘を見ていると、徐々にではございますが、私共としても娘の死を受け入れざるを得ません。1日たつ毎に家族としても胸が張り裂ける程の深い悲しみに包まれております。
現在優衣を含め、家族5人で最後の一家団らんを過ごしております。報道関係各位におかれましても、自宅周辺、近隣葬儀場等における取材・撮影等はお断り致します。
私共としても安らかに娘を旅立たせようと思っております。優衣は2年10ヶ月しか親より愛情を受けておらず、最後に私共夫婦・姉弟よりたっぷりと愛情を注ぐ式にしたいと思います。
報道関係各位におかれましても、何卒私共の心情を察っして頂き、御配慮の程よろしくお願い致します。原田 学
また、伊藤雅宮くんの遺族は次のようにつづっています。
報道機関の皆様へ
お願い私たちは、この度の突然の事故で大切な家族を失い、深い悲しみを受けています。
このような私たちの心情をお察しいただき、自宅や葬儀会場での取材や写真撮影をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。令和元年5月9日
家族一同
終わりに
2歳10ヶ月の子供というと、筆者の娘と全く同じ年になります。
そんな小さな子供が亡くなったことを思うと、どれだけの悲しみが遺族を覆っていることかと思います。
たった一つの不注意が招いた事故。死亡したのが小さな子供だっただけに、このような事故が二度と起こらないよう、ますますもって強く願うばかりです。